イスラエルが飢饉に襲われた時、ナオミは夫やふたりの息子と共にモアブに移り住んだ。ところが夫は早くに亡くなり、モアブで結婚した息子たちも母を残して死んでしまう。ナオミが故郷に戻ることを決めると、次男の嫁ルツは姑に従ってベツレヘムへと移住した。
大麦の収穫時期だった。ルツは畑に出て、毎日落ち穂を拾った。畑の持ち主であるボアズの配慮もあって、ルツは大量の落ち穂を拾うことができた。ボアズはナオミの亡き夫の親戚にあたる、真面目で働き者の男だ。ナオミはルツに助言して精一杯の身繕いをさせると、作業小屋で熟睡している彼の寝床に忍び込ませた。ボアズはこの出来事に驚いたが、ルツの身柄と相続すべき財産について親戚の同意を取り付け、彼女を自分の妻にすることに決めた。
ふたりの間には、オベドという息子が生まれる。ナオミは孫の誕生を喜んだ。オベドにはエッサイという息子が生まれ、エッサイからはあのダビデ王が生まれた。
(ルツ記)