2

イサク

Isaac

 妻サラが亡くなると、アブラハムは土地の者から墓所を買い取って埋葬した。息子のイサクが結婚する年頃に成長すると、彼は故郷に人をやって息子の妻に相応しい娘を探させた。見つかったのは親戚の娘リベカだった。

 アブラハムは亡くなり、イサクにはリベカとの間に双子の息子が生まれた。イサクは長男エサウを愛し、妻リベカはヤコブを愛した。成長したエサウは狩りが得意だったが、ある日空腹で帰宅した際、わずかな食事と引き替えに長子の特権を弟ヤコブに譲り渡す。

 近隣で飢饉が起こり、イサクたちはペリシテ人の王アビメレクのもとに逃れた。イサクはリベカを妹だと紹介したが、やがて真相がわかると王はイサクを恐れて一家の保護を部下たちに約束させた。その後王のもとを去ったイサクは次々に井戸を掘って勢力を広げ、ペリシテ人たちとの間にしばしばいさかいが起きる。アビメレク王はイサクを訪問して、互いに危害を加えないという契約を交わした。

(創世記 23〜26章)

続きを読む

0

アブラハム

Abraham, Sarah and Hagar

 ハランに住むアブラムは「カナンへ行け」という神の言葉に従い、妻サライと甥のロトを連れて旅立つ。カナン地方が飢饉に襲われると、一家はエジプトに逃れた。エジプト王はサライを見初めて後宮に入れるが、やがて人妻だとわかり一家はエジプトを去る。

 天の使いから子供が生まれると予告され、アブラムはアブラハムに改名し、サライはサラになった。ロトは成長して独立していたが、戦争に巻き込まれてソドムの町で暮らしていた。罪深い町ソドムは神に滅ぼされ、ロトの家族はその直前に脱出する。だがロトの妻は後ろを振り返って塩の柱になった。ロトの娘たちは酔った父と交わり、子供を身ごもったという。

 アブラハムと女奴隷の間に息子イシュマエルが生まれた。だが妻サラが息子イサクを生むと、イシュマエルと母親は追い出されてしまった。神はアブラハムの信仰を試そうとイサクを生け贄に捧げるよう命じ、彼の信仰を確認すると身代わりの羊を与えるのだった。

(創世記 12〜22章)

続きを読む

0

バベルの塔

Tower of Babel

 洪水を生き延びたノアの子孫は、再び数を増やしながら地上に広まっていった。この頃の人間たちは、世界中で同じ言葉を話している。人が増えるにつれて技術も進歩し、レンガやアスファルトを使うことで、石やしっくいでは作れなかった巨大な建造物を作ることも可能になった。

 新しい技術を手にした人間たちは、天まで届く塔を作ろうと考えた。巨大な塔を中心に町を作り、そこに世界中から人を集めるのだ。作業は急ピッチに進められ、町の規模もどんどん大きくなって行く。だが神はこの様子を見て不快に思った。

 「人間はひとつの民でひとつの言葉を話しているから、こんなことをはじめたのだ。このままではいずれ、誰も人間を止められなくなるだろう」。神は人間の言葉を混乱させ、互いの言葉を聞き分けられない状態にした。塔のある町の建設は中断し、その地はバベルと呼ばれるようになった。神が言葉を混乱(バラル)させ、人々を世界中に散らせたからだ。

(創世記 11章)

続きを読む

0

大洪水

Noah's Ark

 人間たちは数を増やし、それに連れて地上の悪もまた増えることになった。神は人間たちの間に悪が広まる様子を見かねて、彼らを滅ぼしてしまおうと考えた。しかしノアだけは神の目から見て正しい人だったので、彼の一族だけは滅ぼさずに助けることとした。

 神はノアに命じて巨大な箱舟を作らせた。そこにノアの家族のほかに地上の獣や鳥たちを一つがいずつ乗せ、大量の食料を積み込むと、これまでなかったような大雨が降ってきた。雨は40日間降り続け、地上の山々もすべて水に沈んだ。この洪水で地上の人間も動物もすべて死に絶えたが、箱舟に乗っている者たちは無事だった。雨が降り始めてから150日後にようやく水が引き始め、箱舟はアララト山の上に漂着した。

 箱舟から放ったハトがオリーブの小枝をくわえて戻ったことで、ノアは地上から水が引いたことを知った。彼は箱舟の戸を開いて動物を外に出し、ここからまた新しい命が地上に広まって行った。

(創世記 6〜9章)

続きを読む

0

アダムとエバ

Adam and Eve a painting by Peter Paul Rubens.

 天地の万物は神によって創造された。神は光を生み、天と地を分け、草木を芽生えさせ、夜空の星を作り、あらゆる動物を作り出し、そして最後に人間を作った。男はアダム、女はエバ。神は6日かけて全世界を創造し、その出来映えに満足して7日目に安息した。

 神はアダムとエバを実り豊かなエデンの園に住ませて言った。「どの木の実でも好きに食べてよい。ただし園の中央にある木の実だけは食べてはならぬ」。だが言葉巧みなヘビにそそのかされてエバは禁じられた実を食べ、アダムにも食べさせてしまう。ふたりはその瞬間に自分たちが裸であることに気づき、恥ずかしさに身を隠した。

 神は人間の罪をとがめてふたりを園から追放する。やがてふたりに子供が生まれた。兄はカイン、弟はアベル。成長したふたりは神に捧げ物をするが、神はカインの献げ物を喜ばなかった。カインはこれに怒り、弟アベルを殺してしまう。神はカインをとがめ、遠い地へと追放した。

(創世記 1〜4章)

続きを読む