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ルツとナオミ

Ruth in the Fields

 イスラエルが飢饉に襲われた時、ナオミは夫やふたりの息子と共にモアブに移り住んだ。ところが夫は早くに亡くなり、モアブで結婚した息子たちも母を残して死んでしまう。ナオミが故郷に戻ることを決めると、次男の嫁ルツは姑に従ってベツレヘムへと移住した。

 大麦の収穫時期だった。ルツは畑に出て、毎日落ち穂を拾った。畑の持ち主であるボアズの配慮もあって、ルツは大量の落ち穂を拾うことができた。ボアズはナオミの亡き夫の親戚にあたる、真面目で働き者の男だ。ナオミはルツに助言して精一杯の身繕いをさせると、作業小屋で熟睡している彼の寝床に忍び込ませた。ボアズはこの出来事に驚いたが、ルツの身柄と相続すべき財産について親戚の同意を取り付け、彼女を自分の妻にすることに決めた。

 ふたりの間には、オベドという息子が生まれる。ナオミは孫の誕生を喜んだ。オベドにはエッサイという息子が生まれ、エッサイからはあのダビデ王が生まれた。

(ルツ記)

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ベニヤミン族との戦い

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 レビ人の男が側女と小者を連れて旅をし、ベニヤミン族の支配するギブアに一泊した。土地のならず者たちは男を慰みものにしようと宿を取り囲む。とっさに側女を差し出して難を逃れたレビ人だが、側女は殺されてしまった。レビ人は彼女の死体を12の部分に切り分けると、イスラエルの全部族に送りつけてギブアでの出来事を伝えた。

 イスラエルの人々は怒りに燃えてギブアに殺到したが、ベニヤミン族はギブアをかばってこれを迎え撃つ。イスラエルの連合軍は多大な犠牲を出しながらついにベニヤミンを打ち破り、岩場に逃れて抵抗した一部の兵を除いてベニヤミン族はことごとく殺された。ことが終わってから、イスラエルの人々はこのことを悔やんだ。

 彼らは戦いに非協力的だったヤベシュの町を滅ぼし、まだ嫁いでいない少女たちを捕虜にして生き残ったベニヤミンの兵に妻として与えた。それでも足りないと、シロの町の祭りにやって来た若い娘たちを誘拐した。

(士師記 19〜21章)

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ミカの神殿と祭司

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 エフライムの山地にミカという男がいた。彼は自分専用の神殿を持っており、高価な彫像と鋳像を置いて、若いレビ人の祭司にそれらを守らせていた。

 この頃、ダン族の人々にはまだ嗣業の地が割り当てられていなかった。彼らは自分たちの土地を求めて、まず5人の斥候を派遣した。斥候隊はエフライムの山地を経由してライシュに進み、その土地の人々が穏やかで争いを好まぬことに目をつけた。報告を受けたダン族の本隊は武装して進軍し、ライシュの人々を攻め滅ぼして土地を奪い取る。そしてこの戦争のどさくさの中で、ミカの神殿を荒らして彫像と鋳像を奪い、司祭も連れて行ってしまったのだ。

 ミカはダン族の部隊を追いかけて抗議したが、武装した大部隊に「文句があるなら家族皆殺しにするぞ!」とすごまれては手も足も出ない。ダン族はライシュの土地に、自分たちの名を付けた町を作り、そこに神殿を建てる。人々はそこで、ミカの彫像を拝んでいたという。

(士師記 17〜18章)

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サムソンとデリラ

Samson

 イスラエルにサムソンという怪力の青年がいた。素手でライオンを倒すほどの怪力で、イスラエルと敵対するペリシテ人を大勢殺した。彼は士師として20年を過ごした。

 サムソンがデリラという女を愛するようになると、ペリシテ人たちは彼女から怪力の秘密聞き出そうとする。デリラは何度もサムソンに強さの秘密をたずねるが、彼は本当のことを教えない。だがある日とうとう、生まれて一度も切ったことがない髪が強さの秘密だと話してしまう。ペリシテ人はサムソンの髪を切り落として力を奪うと、両目をえぐって牢で粉をひかせた。

 その後しばらくして、ペリシテ人の領主たちはサムソンを宴会の余興に引き出した。だがそれまでに再び髪が伸びていたサムソンは、建物を支える柱に寄りかかると力任せにそれを押し倒す。こうして多くの人たちが、サムソンと共に建物の下敷きになって死んだ。その数は、彼がそれまでに殺した敵を全部合わせたより多かったという。

(士師記 13〜16章)

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エフタと一人娘

Jephthats

 エフタはギレアド人の父が身分の低い遊女に生ませた子だ。妾腹のエフタは他の兄弟に疎まれて家を追われたが、故郷を離れた彼の周囲には腕自慢の男たちが集まるようになった。

 アンモン人がイスラエルに戦いを仕掛けてきたとき、ギレアドの人たちはエフタに助けを求めた。一度は追い出し、今度は救ってくれとは虫のいい話だ。だが「全ギレアドの頭に」という長老たちに従い、エフタは故郷に戻る。

 彼はギレアドで軍を整えると、戦いを前に神にこう誓った。

 「もし神がこの戦いに勝利させてくださるなら、戦いから帰った日に家の戸口を最初に出てきた者をいけにえに捧げます!」

 エフタが戦いに勝利して家に帰ったとき、彼の一人娘が鼓を打ち鳴らし、踊りながら迎えに出て来た。エフタは自分の誓いを嘆きながらも約束通り娘をいけにえに捧げ、娘もそれを受け入れた。

 エフタはエフライムとの戦いにも勝利し、その後6年間、士師としてイスラエルを裁いた。

(士師記 10〜12章)

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策略家アビメレク

Abimelech

 アビメレクはギデオンが女奴隷に生まれせた子だ。彼は父が亡くなると、故郷シケムの人々にギデオンの他の息子たちへの謀反を提案した。シケムの人々がアビメレクに金を渡すと、その金で雇われたならず者たちの手で彼の異母兄弟は皆殺しにされた。

 こうして権力を手中にしたアビメレクだったが、彼とシケムの人々の関係はたった数年で険悪なものになった。シケムの首長たちはガアルという流れ者を自分たちのリーダーにして、アビメレクを露骨に挑発しはじめる。アビメレクは大軍を出してガアルを追い払い、シケムの首長たちが神殿の地下壕に逃げ込むと、山のようなたきぎをその上で燃やして彼らを焼き殺した。

 その後アビメレクはテベツの町を攻めた。町の人たちが高い塔に逃げ込んだので、アビメレクは今回もたきぎを集めて火を着けようとした。その時、女が投げ落とした石臼が彼の頭を砕いた。彼は女の手で殺されることを恥じて、従者にとどめを刺させた。

(士師記 9〜10章)

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勇者ギデオン

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 イスラエルがミディアン人のたび重なる襲撃に苦しめられていた頃、神の使いがギデオンを召し出した。彼は父の所有するバアル神殿を打ち壊したことから、エルバアルとも呼ばれる。

 ミディアン人たちの大軍が攻めてくると彼は羊の毛を使って神意を確認し、集まった3万2千の兵の中からたった300人だけを選び出した。これを3つの小隊に分け、全員に角笛と水がめに隠した松明を持たせる。そして夜になると闇に紛れて敵陣に接近し、水がめを割って松明をかざし、角笛を吹き、ときの声を上げた。闇の中から突然敵が現れたことで、ミディアン軍は浮き足だって逃走した。

 この戦いの際、エフライムの人々は自分たちが戦いに加われなかったことで不満を言った。またコストやベヌエルの町はギデオンへの協力を拒んだが、戦いの後にギデオンからその報いを受けることになった。追撃の末に敵の王たちは捕らえられて処刑され、戦いはギデオンたちの勝利に終わった。

(士師記 6〜8章)

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